〔NY石油〕WTI反落、71.77ドル(16日) 2025年06月17日 05時05分
【ニューヨーク時事】週明け16日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東情勢への過度の懸念が和らいだことで売りが優勢となり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前週末清算値(終値に相当)比1.21ドル(1.66%)安の1バレル=71.77ドルだった。8月物は1.04ドル安の70.25ドル。
ロイター通信は16日、イランがカタールやサウジアラビア、オマーンの湾岸3カ国に対して、トランプ米大統領がイスラエルに即時停戦を促す圧力をかけるよう求めたと報道した。さらに米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は16日、関係者の話として、イランがイスラエルとの紛争終結と、自国の核開発に関する交渉を再開したいとの意向を仲介役を通じて示唆したと報じた。これを受け、イランとイスラエルの軍事衝突が激化し、エネルギー供給混乱につながるとの懸念が後退した。イスラエルによるイランへの攻撃をきっかけに、原油先物相場は前週末に7%超急伸し、清算値ベースで約4カ月ぶりの高値を付けていた。短期間で急速に買われ過ぎたとの見方から利益確定の売りも出やすかった。
イランとイスラエル両国は互いのエネルギー関連施設に攻撃を実施したものの、今のところ主要エネルギー施設などに大きな混乱が見られていない。攻撃開始直後には、イランが世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖に踏み切るとの懸念が高まったが、これまでそうした動きが出ていないことも売りにつながったとの見方があった。
▽ガソリン=反落。中心限月7月物の清算値は0.77セント安の1ガロン=221.99セント。 ▽ヒーティングオイル=続伸。7月物の清算値は3.46セント高の1ガロン=239.33セント。