〔NY石油〕WTI3日続伸、65.29ドル=約2カ月ぶり高値(9日) 2025年06月10日 04時54分

 【ニューヨーク時事】週明け9日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中通商協議の進展期待を手掛かりとした買いに、3営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.71ドル(1.10%)高の1バレル=65.29ドル。4月初旬以来、約2カ月ぶりの高値を付けた。8月物は0.59ドル高の64.22ドルだった。
 米中両政府はこの日、ロンドンで約1カ月ぶりに閣僚級の貿易交渉を再開。米メディアによると、協議は10日まで続く見込みとされ、結果に注目が集まる中で、買いがやや優勢となった。今回は関税措置のほか、中国のレアアース(希土類)、米国の半導体の輸出規制の扱いが主要テーマとなる可能性があり、これらの分野で歩み寄りがみられるかどうかが焦点。交渉が進展すれば、エネルギー需要の拡大を後押しするとの思惑から、相場は朝方にかけてじりじりと上昇した。
 ただ、65ドル台に乗せた場面では、一時利益確定の売りが台頭。5月の中国の貿易収支統計が低調な内容だったことなどが嫌気されたもよう。しかし、その後は再び上向きに転じ、引けまでプラス圏を維持した。ロイター通信によると、5月の石油輸出国機構(OPEC)の産油量は、イラクの減産幅拡大などで計画を下回り、供給増加懸念が和らいだ。また、外国為替市場でドルがユーロに対して弱含みに推移したことも、ドル建て商品の割安感につながった。
 ▽ガソリン=3営業日続伸。中心限月7月物の清算値は1.84セント高の1ガロン=209.52セント。
 ▽ヒーティングオイル=3営業日続伸。7月物の清算値は2.11セント高の1ガロン=214.64セント。

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