〔NY金〕3日ぶり反発、3354.90ドル(9日) 2025年06月10日 04時09分

 【ニューヨーク時事】週明け9日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドルの下落を背景に買いが優勢となり、3営業日ぶりに反発した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前週末比8.30ドル(0.25%)高の1オンス=3354.90ドル。
 中国国営新華社通信によると、米中両政府は9日、ロンドンで約1カ月ぶりとなる閣僚級の貿易協議を開始した。米メディアによると、協議は翌10日まで続く見込みだという。貿易協議の結果への警戒感からドル買いが手控えられ、ユーロなど主要通貨に対し弱含みに推移。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、金が買われた。また、米長期金利が低下し、金利を産まない資産である金の投資妙味が高まり、金を支えた。
 ロシア国防省は8日、戦車部隊がウクライナ東部ドニプロペトロウスク州を地上攻撃していると主張した。ロシア大統領府によると「緩衝地帯」の創設を名目としているという。地政学的リスクへの警戒感が強まる中、安全資産としての金の追い風となったとの見方があった。

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