〔東京外為〕ドル、144円台半ば=調整的な買いで上昇(10日午前9時) 2025年06月10日 09時06分
10日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日の海外時間に調整的な買いが強まった流れを受け、1ドル=144円台半ばに上昇している。午前9時現在、144円56~58銭と前日(午後5時、144円12~14銭)比44銭のドル高・円安。
前日の海外市場で、欧州時間は東京時間終盤に売られた反動から買い戻され、米国時間の序盤には144円70銭台まで浮上した。ただ、同水準では戻り売りに押され、中盤には144円30銭前後に反落。終盤は144円50銭台に持ち直した。
前日の東京時間夕方との比較では、やや水準は切り上がったものの、「前日の東京時間午前からの値動きは144円台のレンジ圏にとどまっており、方向感は出ていない」(大手邦銀)と指摘される。前日の海外時間は上下動がみられたが、「米長期金利の上下の動きに沿った流れで、独自の材料には乏しい」(同)という。
目先の材料としては、米中貿易交渉の行方が注目されている。両国は9日、ロンドンで閣僚級協議を開催した。前日の欧州時間には「米中協議が行われたことを好感する動きもあったようだ」(FX業者)とされる。
市場では「引き続き交渉進展への期待感は残るものの、現状では積極的にドル円を買い上がる状況にはない」(先の大手邦銀)という。このほか、「米中交渉を除くと特段の材料は見当たらず、方向感は出にくいだろう」(同)との声が聞かれた。
ユーロも対円は上昇、対ドルは横ばい圏。午前9時現在、1ユーロ=165円17~19銭(前日午後5時、164円62~65銭)、対ドルでは1.1425~1426ドル(同1.1423~1423ドル)。