〔東京外為〕ドル、143円台前半=国内輸出企業の売りなどで軟化(22日正午) 2025年05月22日 12時19分
22日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日に米財政悪化不安を背景に米債券、株式、通貨が売られた「トリプル安」の再燃が懸念される中、国内輸出企業の売りも加わり、1ドル=143円台前半に軟化した。正午現在、1ドル=143円18~18銭と前日(午後5時、143円89~91銭)比71銭のドル安・円高。
前日の米国時間は、米20年債入札の低調な結果を受けた米長期金利上昇や米主要株価指数の下落で、一時143円20銭台まで水準を切り下げた。その後は買い戻され、終盤にかけては143円60~70銭台を軸にもみ合った。東京早朝は、加藤財務相とベセント米財務長官が会談し、米財務省が「為替水準について議論はなかった」と発表したことから米国による円安是正要求の懸念が薄らぎ、144円40銭付近に浮上した。
ただ、買い一巡後は利益確定や調整の売りに押され、午前9時すぎには143円台前半に下落。さらに、仲値公示に向けて国内輸出企業のドル売り・円買いが膨らんだほか、その後は調整売りなども加わり、143円10銭台まで値を下げる展開になった。「これまで様子見姿勢だった国内輸出企業が投資家の米国離れを警戒して売りに転じている」(国内銀行)という。
「米国売り」による米金利上昇と米主要株価の下落は「この後も継続し、ドル円は143円を割る」(別の国内銀行)との予想もある。「市場は米長期金利の上昇一服待ちで、トリプル安が解消されるまでリスク回避は続く」(外為仲介業者)との声も聞かれた。
ユーロは朝方に比べ対円で下落、対ドルで強含み。正午現在は、1ユーロ=162円34~36銭(前日午後5時、162円94~96銭)、対ドルでは1.1338~1338ドル(同1.1323~1323ドル)。