〔NY石油〕WTI下落、61.57ドル(21日) 2025年05月22日 04時55分
【ニューヨーク時事】21日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、予想外の米原油・ガソリン在庫の積み増しを示す週報を嫌気し、下落した。新たに中心限月となった米国産標準油種WTI7月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.46ドル(0.74%)安の1バレル=61.57ドル。8月物は0.41ドル安の61.03ドルだった。
イスラエルがイランの核施設を標的に空爆の準備を進めているとの報道を受け、朝方にかけては買いが先行。米情報機関が入手した情報として、複数の当局者が明らかにしたという。イランの産油量は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国中、第3位で、ロイター通信によると、日量150万バレル超を輸出している。また、同国が報復措置として、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖すれば、サウジアラビアやクウェート、イラク、アラブ首長国連邦(UAE)からの供給にも影響が出るとの警戒感が台頭した。
しかし、米エネルギー情報局(EIA)が午前に週報を発表すると、相場はマイナス圏に転落。16日までの週に、米原油在庫は130万バレル増、ガソリン在庫は80万バレル増と、それぞれ市場予想に反して積み増しとなった。米国では26日の祝日連休から夏季のドライブシーズンが始まるが、需要の弱さが示唆されたとして、一転して売りが優勢となった。
▽ガソリン=小反落。中心限月6月物の清算値は0.23セント安の1ガロン=214.98セント。
▽ヒーティングオイル=続伸。6月物の清算値は1.02セント高の1ガロン=213.91セント。