〔NY金〕3日続伸、3313.50ドル(21日) 2025年05月22日 04時28分
【ニューヨーク時事】21日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル安や安全資産としての金買いを背景に、3日続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比28.90ドル(0.88%)高の1オンス=3313.50ドル。
米格付け大手ムーディーズ・レーティングスによる米国債の格下げが引き続き材料視され、この日の外国為替市場は対ユーロでドルが下落。ドル建て商品の割安感が意識され、金は買いが優勢となった。
トランプ米大統領肝煎りの大規模減税を盛り込んだ法案の審議を巡る先行き懸念も安全資産としての金需要を促した。トランプ氏は20日、与党共和党の下院議員会合に参加し、同法案を一致して支持するよう訴えた。ただ、債務増大を懸念する財政規律派は支出削減を主張しており、米メディアによると「現時点では支持できない」との声もあったという。
一方、一部米メディアが20日、米当局が関係筋の話として、イスラエルがイランの核施設に対する攻撃の準備をしていると伝えた。地政学リスクへの警戒感がくすぶっており、金相場を下支えた。市場参加者らは、中東情勢の先行きに加え、ロシアとウクライナの停戦協議の進展にも注視している。
ただ、この日は米長期金利の指標である10年債利回りが上昇。金利を生まない資産である金の投資妙味が薄れたことから、相場の上げ幅は限定的だった。