〔NY金〕続伸、3150.30ドル=連日の最高値更新(31日) 2025年04月01日 04時12分

 【ニューヨーク時事】週明け31日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米高関税政策が景気や物価動向にもたらす不確実性が警戒される中、安全資産としての金需要が拡大し、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前週末比36.00ドル(1.16%)高の1オンス=3150.30ドル。中心限月の清算値ベースで最高値を3営業日連続で塗り替えた。
 トランプ米大統領は30日夜、4月2日に発表を予定している相互関税について、全世界が対象になり得るとの考えを表明。さらに、アジアとの交易条件についても不満を示した。一方で、相互関税の関税率を低く抑える可能性にも言及。米国の高関税賦課によりリセッション(景気後退)やインフレの再上昇を招く可能性が高まるとの先行き不透明感が強まる中、安全資産としての金の買いが加速した。
 米金融2社が先週、金価格予想をそろって上方修正したこともなお相場の支援要因。ロイター通信によると、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は、2025年の金価格を3063ドル(従来予想は2750ドル)、26年は3350ドル(2625ドル)に改定。ゴールドマン・サックスは25年末の金価格予想を3300ドル(3100ドル)に引き上げた。
 一部の市場関係者からは、相対力指数(RSI)などのテクニカル分析で金相場は現在、買われ過ぎ状態にあるため、利益確定の売りが出る場面もあるが、ウクライナ停戦交渉を巡る地政学リスクが金の強地合いを支えるとの見方も聞かれた。

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