〔NY石油〕WTI軟調、67ドル台(9日午前) 2025年07月09日 23時54分
【ニューヨーク時事】9日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、利食い売りなどが出やすく、軟調に推移している。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は午前10時35分現在、前日清算値(終値に相当)比0.35ドル安の1バレル=67.98ドル。
ギリシャ企業が運航する貨物船が7日から8日にかけてイエメン沖の紅海で攻撃され、9日に沈没。救助活動が行われ、一部の乗組員が救助されたものの、死亡者が確認されたほか、複数の行方は不明となっている。攻撃は、イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるものだとされている。国際物流の要衝である紅海の治安悪化に伴う供給混乱への警戒感が再燃し、原油相場は時間外取引で一時買いが優勢となった。その反動で、朝方は利益確定の売りも出やすく、マイナス圏を推移していた。
その後、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、原油在庫が前週比710万バレル増と、市場予想(ロイター通信調べ=210万バレル減)に反する積み増しとなった。一方、ガソリン在庫は270万バレル減、ディスティレート(留出油)在庫は80万バレル減と、それぞれ取り崩し幅は市場予想を上回った。強弱まちまちの内容となったことから、市場の反応は限られており、発表後も売り地合いが続いている。