「大学への資金停止」提言=豪特使、ユダヤ人差別対策で 2025年07月10日 18時11分

【シドニー時事】オーストラリア政府のユダヤ人差別対策を担当するジリアン・シーガル特使は10日、差別を助長したり放置したりしたと判断された大学への資金提供を停止することなどを柱とする提言書をアルバニージー首相に提出した。トランプ米政権が補助金凍結をてこにハーバード大などに圧力をかけていることを参考にしたとみられる。
アルバニージー氏は記者会見で「すぐに実施できる項目もあれば、時間をかけて取り組むべき項目もある」と述べ、提言を完全実施するかどうか明言を避けた。豪州にはイスラム系移民も多く、対応に苦慮しそうだ。
パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突を受け、豪国内ではシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)が放火されるなどの事件が相次いだ。このため、アルバニージー氏はユダヤ系弁護士のシーガル氏を特使に任命し、ユダヤ人差別の解消に向けた対策を諮問していた。