〔米株式〕NYダウ反発、202ドル高=ナスダックは一時最高値更新(9日午前) 2025年07月09日 23時34分

 【ニューヨーク時事】9日午前のニューヨーク株式相場は、米国の高関税政策に対する警戒感が和らぎ、今後の貿易交渉に投資家の関心が集まる中、反発している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時15分現在、前日終値比202.90ドル高の4万4443.66ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は一時取引時間中の高値を更新。同時刻現在は211.75ポイント高の2万0630.21で推移している。
 トランプ米大統領は8日、輸入する銅に対し50%の関税を課す考えを表明。銅は電気自動車(EV)や先端電子機器などの製造に不可欠で、戦略物資としての重要性が増しており、関税措置により国内生産力を強化し、サプライチェーン(供給網)上のリスクに対処する。このほか、医薬品や半導体に関税を導入する考えも強調した。ただ、トランプ氏が相互関税の新税率発動を8月1日に設定したことで、貿易相手国・地域との交渉に余地が生まれたとの楽観的な見方が一部で台頭。市場では、米高関税政策に対する過度の警戒感が和らぎ、いまのところ売りでの反応は限定的となっている。ダウは買い先行で始まり、一時300ドル超上伸した。
 市場参加者は、この日午後に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月17、18日開催分)を注視している。CMEフェドウオッチによると、市場は、9月の利下げの可能性を60%以上織り込んでいる。
 個別銘柄では、ボーイング、エヌビディアがいずれも2%超高となり、ダウ平均の上げを先導。エヌビディアの時価総額は世界の上場企業として初めて4兆ドルを突破した。一方、ユナイテッドヘルス・グループは2%超下落。米司法省がユナイテッドヘルスのメディケア(高齢者向け公的医療保険)の請求慣行に関して調査を行っているとの米紙報道が嫌気された。

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