〔NY外為〕円、146円台後半=一時147円目前(8日) 2025年07月09日 06時32分

 【ニューヨーク時事】8日のニューヨーク外国為替市場では、米高関税政策の影響を警戒した円売り・ドル買いが加速し、円相場は1ドル=146円台後半に下落した。円は一時146円97銭と、6月下旬に付けた147円台に迫った。午後5時現在は146円55~65銭と、前日同時刻(146円02~12銭)比53銭の円安・ドル高。
 トランプ米大統領は7日、日本を含む14カ国に対し書簡を送り、新たな相互関税の税率を通知した。さらに4月に導入を発表した相互関税のうち上乗せ分の停止期限を7月9日から8月1日午前0時1分(日本時間午後1時1分)へ延期する大統領令にも署名した。トランプ氏は8日のSNS投稿で、相互関税の上乗せ分についての停止期限を延長したことに関し、「この日付に変更はない」と明言し、日本を含めた貿易交渉相手国に改めて圧を強めた。関税措置により米国内のインフレが再燃するとの警戒感や日本の貿易赤字拡大を招くとの見方が広がり、円売り・ドル買いが先行した。
 週内に中・長期債入札を控えた警戒感から米長期金利が上昇したことも、日米金利差拡大を意識した円売り・ドル買いを誘った。
 ただ、円売り・ドル買いが一巡すると、ドルが若干売り戻される展開。ラトニック米商務長官が8日放送のCNBCテレビで、8月上旬に中国と貿易交渉を行う見通しを表明したと伝わり、米中の緊張緩和期待が浮上したため、円の支援要因になったもようだ。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1719~1729ドル(前日午後5時は1.1703~1713ドル)、対円では同171円78~88銭(同170円94銭~171円04銭)と、84銭の円安・ユーロ高。一時は172円ちょうどとなり、2024年7月中旬以来、約1年ぶりに172円台を付けた。

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