〔NY金〕反落、3228.00ドル(12日) 2025年05月13日 04時36分
【ニューヨーク時事】週明け12日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中両国が関税の大幅な引き下げで合意したことを受けて利益確定の売りがかさみ、反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前週末比116.00ドル(3.47%)安の1オンス=3228.00ドル。
ベセント米財務長官とグリア通商代表部(USTR)代表、中国の何立峰副首相は10、11両日、スイスのジュネーブで関税措置をめぐる協議を開いた。ベセント氏は12日、記者会見し、「米中双方が関税を115%引き下げる」と発表した。90日間の暫定措置として、米国の対中追加関税は30%に、中国の対米関税は一部の農産物などを除いて10%に下がる。今後は経済・貿易に関する協議の枠組みを新設し、交渉を継続する方針だという。これを受けて、米中貿易摩擦激化を巡る市場参加者の警戒感が大きく後退し、これまで安全資産として買われてきた金に利食い売りが進む展開となった。
また、米中貿易合意を受けて米長期金利が上昇。金利を産まない資産である金の投資妙味の減退につながり、金の売り圧力となった。ユーロなどの対主要通貨でドル買いも進み、ドル建てで取引される商品に割高感が生じたことも、金の売りを後押しした。
米財務省が12日午後に発表した4月の月例財政報告によると、2025年度(24年10月~25年9月)の財政赤字は7月時点で、前年同期比23%増の1兆487億3000万ドルとなったが、相場の反応は限定的だった。
市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による今後の金融政策を占う上で、週内に発表される4月の米消費者物価指数(CPI)や、米小売売上高の内容に注目している。