〔米株式〕NYダウ大幅反発、一時1100ドル超高(12日午後1時10分) 2025年05月13日 02時19分

 【ニューヨーク時事】週明け12日午後のニューヨーク株式相場は、米中両国が関税引き下げで合意したことを好感した買いに大幅反発している。優良株で構成するダウ工業株30種平均の前週末終値比での上げ幅は一時1100ドルを超えた。午後1時10分現在、前週末終値比1099.10ドル高の4万2348.48ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は757.39ポイント高の1万8686.31。
 ベセント米財務長官、グリア通商代表部(USTR)代表、中国の何立峰副首相らはスイスのジュネーブで10、11両日、貿易協議を行った。ベセント氏は12日、記者会見で、「米中双方が関税を115%引き下げる」と発表。期間は90日間で、米国の対中追加関税は30%に、中国の対米対抗関税は、一部の農産物などを除いて10%まで下がる。同氏は、米中とも「デカップリング(分断)は望んでいない。貿易を望んでいる」と強調。米中は経済・貿易に関する協議の枠組みを新設し、交渉を継続する。これを受け、米中の貿易摩擦を巡る懸念が後退。投資家心理が大きく改善し、ダウは寄り付きから買いが活発化した。
 一方、トランプ米大統領はこの日、ホワイトハウスで記者会見し、ロシアとウクライナの停戦に向けた直接協議に自ら出席する可能性を示唆した。直接協議は15日にトルコ・イスタンブールで開催される見通し。地政学リスクへの懸念がやや後退する中、午後にかけて、相場は上げ幅を拡大している。

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