〔NY石油〕WTI続伸、62ドル台(12日午前) 2025年05月12日 23時14分
【ニューヨーク時事】週明け12日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中両国が関税の大幅引き下げで合意したことを好感し、続伸している。米国産標準油種WTIの中心限月6月物は午前10時現在、前週末清算値(終値に相当)比1.81ドル高の1バレル=62.83ドル。
ベセント米財務長官は12日、中国の高官と通商交渉を行ったスイスで記者会見し、「米中双方が関税を115%引き下げる」と発表した。90日間の暫定措置で、今後は経済・貿易に関する協議の枠組みを新設し、交渉を継続する方針。相互に100%を超える高関税をかけあい、事実上の「禁輸状態」に陥っている事態は当面解消されることになった。
事前には、米中の直接交渉が物別れに終わるとの警戒感も強かったことから、市場はこの発表を好感。貿易戦争の長期化に伴う景気悪化懸念の後退を受け、エネルギー需要の先細り観測もしぼみ、相場は大幅上昇。8日の米英貿易協定合意の報をはやした買いに弾みがつき、朝方には一時63ドル台後半まで上値を拡大した。