〔米株式〕NYダウ大幅反発、一時1000ドル超高=ナスダックも高い(12日午前) 2025年05月12日 23時06分
【ニューヨーク時事】週明け12日午前のニューヨーク株式相場は、米中両国が関税引き下げで合意したことを好感した買いに大幅反発して始まった。優良株で構成するダウ工業株30種平均の前週末終値比での上げ幅は一時1000ドルを超えた。午前10時現在、前週末終値比999.45ドル高の4万2248.83ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は616.11ポイント高の1万8545.03。
ベセント米財務長官、グリア通商代表部(USTR)代表、中国の何立峰副首相らはスイスのジュネーブで10、11両日、貿易協議を行った。ベセント氏は12日、記者会見で、「米中双方が関税を115%引き下げる」と発表。期間は90日間で、米国の対中追加関税は30%に、中国の対米対抗関税は、一部の農産物などを除いて10%まで下がる。同氏は、米中とも「デカップリング(分断)は望んでいない。貿易を望んでいる」と強調。米中は経済・貿易に関する協議の枠組みを新設し、交渉を継続する。これを受け、米中の貿易摩擦を巡る懸念が後退。投資家心理が大きく改善し、ダウは寄り付きから買いが活発化している。
ロイター通信によると、投資家の不安心理の指標となる恐怖心指数(VIX)は一時20を下回り、3月下旬以来の低水準を付けた。一方、市場参加者は週内に発表される4月の米消費者物価指数(CPI)や米卸売物価指数(PPI)、米小売売上高から足元のインフレや消費動向の手掛かりを得ようと注目している。
ダウ構成銘柄では、米中両国の関税引き下げ合意を受け、ナイキやアマゾン・ドット・コムが7%超高とダウの上げをけん引。アップルやエヌビディアなど大型IT銘柄も上伸している。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソンは売りがやや先行。トランプ米大統領は12日、薬価引き下げを目指す大統領令に署名する。