〔NY石油〕WTI反落、58.07ドル(7日) 2025年05月08日 04時48分
【ニューヨーク時事】7日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中貿易協議の行方が注視される中、ガソリン需要への懸念が浮上し、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比1.02ドル(1.73%)安の1バレル=58.07ドルだった。7月物は0.98ドル安の57.70ドル。
ベセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表は今週末にスイスで、中国の何立峰副首相と貿易問題に関する協議を行う。米中貿易摩擦が緩和するとの期待から、相場は時間外で堅調に推移。ただ協議が早期に急進展する可能性は高くないとの見方から、取引序盤以降は、利食い売りが先行していた。
米エネルギー情報局(EIA)がその後発表した最新週の石油在庫統計によると、原油在庫は前週比200万バレル減と、市場予想(80万バレル減=ロイター通信調べ)を上回る取り崩しとなった。一方、ガソリン在庫は20万バレル増と、市場予想(160万バレル減)に反する積み増しを記録。夏場のドライブシーズンを控える中、一部のアナリストらの間ではガソリン需要が伸び悩むとの懸念も台頭し、相場の圧迫要因となった。
一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は7日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、大方の予想通り、3会合連続となる政策金利の据え置きを決めた。FOMC声明で「経済見通しを巡る不透明感はさらに増した」と先行き懸念を示したことをきっかけに、エネルギー需要見通しに対する警戒感が台頭し、声明発表後、相場は下げ幅を拡大した。
▽ガソリン=3営業日ぶりに反落。中心限月6月物の清算値は3.67セント安の1ガロン=202.78セント。
▽ヒーティングオイル=反落。6月物の清算値は3.22セント安の1ガロン=197.66セント。