〔NY石油〕WTI反発、59.91ドル(8日) 2025年05月09日 05時24分
【ニューヨーク時事】8日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米英貿易協定の締結発表を好感した買いが入り、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.84ドル(3.17%)高の1バレル=59.91ドル。
トランプ米大統領はこの日、英国との貿易協定に合意したと発表した。10%の相互関税は維持するものの、自動車への関税を大幅に引き下げ、鉄鋼、アルミニウムは撤廃する。一方、英国は牛肉など農産物や産業用機械などの市場を開放するとした。米政権の関税措置を巡る貿易相手国との交渉で初の合意となる。これを受け、日本やインド、韓国、ベトナムなどとの交渉進展期待が高まり、リスク選好ムードが拡大。株高を眺めて原油先物にも買いが波及した。
トランプ氏はまた、ベセント米財務長官が週末、グリア米通商代表部(USTR)代表とともに、中国の経済政策を担当する何立峰副首相と行う公式協議について、「興味深いものなるだろう」と発言。相場は昼ごろ、一時60ドルの節目を回復した。しかし、高関税の応酬で激しく対立する米中の交渉の行方は予断を許さず、上値追いの動きは鈍かった。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国が3日、6月の供給量増加で合意し、供給過剰懸念がくすぶっていることも引き続き投資家心理を圧迫した。
▽ガソリン=反発。中心限月6月物の清算値は5.76セント高の1ガロン=208.54セント。
▽ヒーティングオイル=反発。6月物の清算値は6.34セント高の1ガロン=204.00セント。