空港建設巡り大規模不正か=中国融資で「最大級の汚職」―ネパール 2025年04月18日 18時34分

ネパールのポカラ国際空港(同空港のホームページより)
ネパールのポカラ国際空港(同空港のホームページより)

 【ニューデリー時事】ネパール中部の観光地ポカラに中国の融資で整備された国際空港を巡り、大規模な不正疑惑が浮上している。100億円規模の建設費が横領された疑いがあり、「近年最大級の汚職」との声も上がっている。
 空港は2023年に完成した。ネパール議会の委員会が17日公表した報告書によれば、建設を請け負った中国企業が発注された工事を実際には行わずにコストを浮かすなど、不正がまん延していた。工事のずさんさや危険性も明らかになった。
 当局は捜査を開始したが、地元報道によると中国側は責任追及を回避しようと、現地大使館を通じネパール政府に政治的圧力をかけている。
 地元シンクタンクのビジャイ・カント・カルナ氏は「一連の工事は不透明で、ネパール政府はそれに対し何も対策を取っていない」と批判。「われわれの調査では中国企業は全面的に不正に関わっており、政治家も関与している」と述べた。
 中国は同空港を巨大経済圏構想「一帯一路」の一環として整備したとアピール。しかし、利用客数が伸び悩み、財政負担が重くのしかかるネパールは、有償ではなく無償の資金協力に切り替えるよう中国に要請している。 

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