〔NY金〕続伸、2672.40ドル(8日) 2025年01月09日 04時47分
【ニューヨーク時事】8日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米追加利下げ期待を背景に、続伸した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比7.00ドル(0.26%)高の1オンス=2672.40ドル。
米民間雇用サービス会社ADPが朝方発表した昨年12月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)は前月比12万2000人増となり、市場予想(14万人増=ロイター通信調べ)を下回った。労働市場の軟化を示唆する内容から米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ路線が維持されるとの見方が拡大。利回りを生まない資産である金の投資妙味が意識され、相場は買いが優勢となった。
ただ、米労働省がその後発表した最新週の新規失業保険申請は前週比1万件減の20万1000件となり、2週連続の改善となった。市場予想(21万8000件)も下回った。米長期金利が高止まる中、指標発表後に対ユーロでドルが上昇。ドル建てで取引される商品の割高感が生じ、相場の上値は限定的だった。
この日午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(昨年12月17~18日)、週末10日に昨年12月の米雇用統計の発表を控え、様子見気分も強かった。
一部の市場参加者の間では、トランプ次期米政権による関税政策を巡る懸念などが安全資産としての金買いにつながったとする見方も聞かれた。一方、FRBのウォラー理事は8日の講演の質疑応答で、トランプ氏の関税引き上げが非常に厳しいものにはならないと想定した上で、短期的にはインフレへの影響はそれほどないとの見通しを示した。