〔NY石油〕WTI反落、73.32ドル(8日) 2025年01月09日 06時01分
【ニューヨーク時事】8日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給引き締まり観測を背景に買いが先行したものの、ドル上昇に伴う割高感や米石油製品在庫の大幅増加が圧迫要因となり、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比0.93ドル(1.25%)安の1バレル=73.32ドル。3月物は0.90ドル安の72.67ドルだった。
ロイター通信が7日公表した調査結果によると、昨年12月の石油輸出国機構(OPEC)の産油量は前月比日量5万バレル減の日量2646万バレルとなり、3カ月ぶりに減少に転じた。米メディアは、昨年12月のロシアの平均産油量が日量897万1000バレルと、同国の目標に届かなかったと伝えた。主要産油国の供給減を受け、需給引き締まりを意識した原油買いが先行し、相場は朝方、74ドル台で堅調に推移した。
一方、外国為替市場では、米長期金利の上昇基調に加え、トランプ次期米大統領が全世界一律の関税導入に向け国家経済緊急事態宣言を検討しているとの一部報道を受け、ドル買い・ユーロ売りが進行。ドル建てで取引される商品に割高感が生じ、原油相場を下押しした。
さらに、米石油製品在庫が予想以上に増加したことも圧迫要因となった。米エネルギー情報局(EIA)が午前発表した週報(3日までの1週間)によると、米原油在庫は前週比100万バレル減と、減少幅は市場予想(20万バレル減=ロイター通信調査)を上回った。一方、ガソリン在庫は630万バレル増(市場予想は150万バレル増)、ディスティレート(留出油)在庫は610万バレル増(同60万バレル増)と、いずれも大幅な積み増しで、市場予想も上回った。
▽ガソリン=3日続落。中心限月2月物の清算値は1.64セント安の1ガロン=201.02セント。
▽ヒーティングオイル=3営業日ぶりに反落した。2月物の清算値は1.56セント安の1ガロン=235.07セント。