〔米株式〕NYダウ、106ドル高=ナスダックは安い(8日) 2025年01月09日 07時17分

 【ニューヨーク時事】8日のニューヨーク株式相場は米金利の高止まりに対する警戒感が根強く、不安定な値動きとなる中で反発した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比106.84ドル高の4万2635.20ドルで終了。ハイテク株中心のナスダック総合指数は10.80ポイント安の1万9478.88で引けた。
 ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比1300万株減の10億0168万株。
 米長期金利の指標となる10年債利回りは一時4.7%超まで上昇し、株式の相対的な割高感が意識された。CNNテレビは8日、関係者の話として、トランプ次期米大統領が新たに導入を予定している関税に法的根拠を与えるため、国家経済緊急事態の宣言を検討していると報道。関税の引き上げによるインフレ再燃に対する警戒感が広がり、株価の重荷となった。
 カーター元大統領死去を受けて、9日には株式市場は休場となる。また、昨年12月の米雇用統計の発表を週末に控えており、はっきりとした相場の方向感が出にくかった。
 この日は、昨年12月17、18両日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表された。ほぼすべての参加者が、トランプ次期米政権の関税引き上げや移民規制強化の影響もあり、インフレリスクが高まったと判断していたことが明らかになった。ただ、日系証券筋は、議事要旨の内容に大きなサプライズはなかったと指摘した。
 米民間雇用サービス会社ADPがこの日発表した2024年12月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数は、前月比12万2000人増と、市場予想を下回った。一方で、労働省が発表した新規失業保険申請は前週比1万件減の20万1000件と、2週連続の改善。強弱まちまちの内容となり、相場の反応は限られた。
 個別銘柄では、コカ・コーラは1.4%高、ウォルマートは1.1%高、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は0.5%高となった。
 一方、前日売り込まれたエヌビディアは小幅安。ウォルト・ディズニーは1.5%安、ジョンソン・エンド・ジョンソンは2.7%安だった。

前日からの主な出来事