〔東京外為〕ドル、一時150円台後半=日銀総裁「買い入れ増」で上昇(21日正午) 2025年02月21日 12時06分

 21日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、植田日銀総裁の「(国債)買い入れ増額」発言を受けて、一時1ドル=150円台後半に上昇した。正午は、150円46~48銭と前日(午後5時、150円15~17銭)比31銭のドル高・円安。
 前日の米国時間は、週間新規失業保険申請件数の低調な結果や長期金利低下で売りが先行し、中盤には149円40銭前後へ下落した。終盤はいったん149円80銭台へ買い戻されたが、主要株価指数の下落に圧迫され、149円50銭台に失速した。
 21日の東京早朝は、149円50~70銭程度で推移。午前8時半に発表された1月のコアCPI上昇率は前年同月比3.2%と市場予想の3.1%を上回り、ドル円は149円20銭台に下落した。その後は、国内輸入企業の買いが入ったほか、植田日銀総裁が国債買い入れ増額に言及したことなどから、150円70銭台に上伸した。
 ドル円は、朝方から1円以上急伸。市場関係者は「節目の150円を割り込んだことで、輸入企業などの買いが入った」(国内銀行)と説明。また、植田総裁が衆院予算委員会で、足元の長期金利上昇について、「急激に上昇する例外的な状況なら、機動的に買い入れ増額を実施する」と述べたことも、買い戻しを誘った。
 もっとも、「植田総裁の発言に新味はなく、ドル円を一段と買い戻す材料ではない」(外為仲介業者)といい、午後は上値が重くなるとの見方が多い。
 ユーロは朝方に比べ対円で上昇、対ドルは小動き。正午は、1ユーロ=158円04~05銭(前日午後5時、156円65~67銭)、対ドルでは1.0502~0503ドル(同1.0431~0431ドル)。

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