〔NY石油〕WTI続伸、64ドル台(25日午前) 2025年08月25日 22時42分
【ニューヨーク時事】週明け25日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、対ロ制裁強化の可能性などを背景とした供給混乱懸念から、続伸している。米国産標準油種WTIの中心限月10月物は午前9時19分現在、前週末清算値(終値に相当)比0.49ドル高の1バレル=64.15ドル。
トランプ米大統領は前週末、ロシアの侵攻が続くウクライナでの和平合意の実現見通しを2週間以内に見極めた上で「非常に重要な決断」を下す考えを表明。対ロ制裁強化を警告した。一方、バンス副大統領は24日放送されたNBCテレビの番組で、ロシアがウクライナ侵攻の停戦に関し「大幅な譲歩をした」とし、「彼らはいくつかの核心的な要求について、柔軟な姿勢を示す用意がある」と述べた。停戦実現を巡っては不透明感がくすぶる中、対ロ制裁が強化されれば、ロシア産エネルギーの供給混乱につながるとの見方が根強く、原油は買いが先行している。
一方、ロシア当局はウクライナが24日、ロシアに対しドローン攻撃を行ったと明らかにした。これにより、ロシア最大の原子力発電所の一つで原子炉の容量が急激に低下し、主要なウスチルガ燃料輸出ターミナルで大規模な火災が発生したという。この報も相場の下支え要因となっている。