〔NY石油〕WTI反発、66ドル台(17日午前) 2025年07月17日 23時27分
【ニューヨーク時事】17日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給引き締まり観測や地政学リスクへの懸念を背景に買いが優勢となり、反発している。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は午前10時1分現在、前日清算値(終値に相当)比0.21ドル高の1バレル=66.59ドル。
米エネルギー情報局(EIA)が16日発表した週報によると、11日までの1週間の米原油在庫は前週比390万バレル減と、市場予想(60万バレル減=ロイター通信調べ)を上回る取り崩し。国際エネルギー機関(IEA)が先週公表した月報で示した、短期的に季節要因により需給が逼迫(ひっぱく)した状態が続くとの見方を裏付けた格好となった。需給引き締まり観測が根強い中、早朝に原油買いが先行し、相場は一時67ドル台まで上伸。あと利食い売りに上値を削ったが、プラス圏を維持して堅調に推移している。
中東情勢が緊迫化する中、供給不安も原油買いを後押し。イラク北部のクルド自治区で石油・ガス生産を運営する8社で作るクルディスタン石油産業協会(APIKUR)は、同地区の油田へのドローン攻撃を受け、加盟企業の大半が操業の一時停止したと発表。ロイター通信によると、同地区では日量最大15万バレルの減産となっているという。このほか、イスラエルがシリアへの攻撃を激化していることも注視されている。