機械受注、2カ月連続マイナス=トランプ関税、設備投資に影 2025年07月14日

 内閣府が14日発表した5月の機械受注統計(季節調整値)は、企業の設備投資の先行指標となる民間需要(変動の大きい船舶・電力を除く)の受注額が前月比0.6%減の9135億円だった。マイナスは2カ月連続。トランプ米政権が追加関税を発動した自動車関連が落ち込み、個人消費と並んで民需の柱と位置付けられる設備投資に影が差している。
 機械受注は、設備用機械の受注状況を調査したもので、設備投資に3~6カ月程度先行するとされる。民需の内訳は、製造業が1.8%減の4485億円。このうち、自動車・同付属品は7.1%減と、前月(20.3%減)に続き2カ月連続のマイナスだった。造船業や化学工業は前月に大型の設備投資案件があった反動で落ち込んだ。一方、非製造業は1.8%増の4793億円だった。
 基調判断は「持ち直しの動きがみられる」に据え置いたものの、内閣府は米関税の影響について「今後の動向は注視する必要がある」(景気統計部)と警戒を強める。農林中金総合研究所の南武志理事研究員は「企業の設備投資意欲は強いが、不透明感がある中で急ぐ様子は見られない」と指摘し、米関税が設備投資を抑える一因になっているとの見方を示した。 

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工業地帯の工場から上がる煙=神奈川県川崎市(AFP時事)
工業地帯の工場から上がる煙=神奈川県川崎市(AFP時事)

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