中国の対米輸出、大幅改善=高関税撤回が寄与―6月 2025年07月14日

 【北京時事】中国税関総署が14日発表した6月の貿易統計によると、対米輸出は前年同月比16.1%減の382億ドル(約5兆6000億円)だった。3カ月連続の前年割れだが、5月に高関税が撤回されたことを受け、前月の34.5%減から大幅に改善した。
 米中両政府は5月、スイスで開いた閣僚級会合を経て、相手国への関税をそれぞれ115%ずつ引き下げた。6月の対米輸入も15.5%減の116億ドルと、前月(18.1%減)から減少率が低下した。
 一方、中国全体の輸出は5.8%増の3252億ドル、輸入は1.1%増の2104億ドル。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は1148億ドルだった。
 米国以外との貿易は、米国向け迂回(うかい)貿易の拠点とされる東南アジア諸国連合(ASEAN)向けの輸出が16.8%増と引き続き好調。アフリカや香港向けも大幅に伸びた。対日輸出は6.6%増、輸入は10.9%増だった。
 品目別では、中国政府が今春に管理規制を強めたレアアース(希土類)の輸出は金額ベースで46.9%減。ただ、数量ベースでは60.3%増加しており、単価の低い品目の輸出が急増したもようだ。
 トランプ米政権は中国との交渉を経て、レアアースの対米輸出迅速化を取り付けたと主張。これに対し中国政府は、輸出の拡大に応える方針を示しながらも、「レアアースは軍民双方で使われている」との姿勢を崩さず、一定の規制を続けると説明していた。
 税関総署が同日公表した1~6月期の輸出は前年同期比5.9%増、輸入は3.9%減。対米輸出は10.9%減、輸入は8.7%減だった。 

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港に到着したコンテナ船=14日、中国江蘇省連雲港市(AFP時事)
港に到着したコンテナ船=14日、中国江蘇省連雲港市(AFP時事)

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