〔NY金〕反発、3343.10ドル(25日) 2025年06月26日 04時37分

 【ニューヨーク時事】25日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は反発。緊迫していた中東情勢への懸念が和らいだことを背景にリスク回避姿勢が後退しいったん下落したものの、下値では安値拾いの買いが入り切り返した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は、前日比9.20ドル(0.28%)高の1オンス=3343.10ドル。
 イランとイスラエルは、トランプ米大統領が「戦争終結」の期限とした米東部時間25日午前0時を過ぎても大規模な交戦を再開しておらず、停戦は維持されているもよう。イスラエルによるイラン攻撃を機に始まった戦闘では、双方が共に勝利を主張。イランは核開発を諦めない意向を示しており、軍事的衝突の火種は残るものの、軍事衝突が一段と激化するとの警戒感は和らいだ。トランプ氏は25日、オランダ・ハーグで開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の閉幕後に記者会見し、「イランと来週協議する予定だ」と発言。イランの核開発計画に関し何らかの合意を結ぶ可能性を示唆した。これらを背景に中東情勢を巡る緊迫化が後退し、安全資産としての金は一時、売りが優勢となった。
 一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日、上院銀行委員会で証言した。トランプ政権の高関税政策による物価上昇は、基本シナリオでは「一時的」との見方を示し、「ある時点では利下げする」とも発言した。これをきっかけに、金利の付かない金相場は買い戻しが入り、プラス圏に浮上。前日の相場で約3週間ぶりの安値水準となった反動で、安値拾いの買いも入った。
 市場の関心は、27日の5月の米個人消費支出(PCE)物価指数などに向かっている。

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