〔NY外為〕円、145円台前半(25日) 2025年06月26日 07時06分

 【ニューヨーク時事】25日のニューヨーク外国為替市場の円相場は日銀が追加利上げに慎重との見方が広がる中、1ドル=145円台前半に下落した。午後5時現在は145円21~31銭と、前日同時刻(144円82~92銭)比39銭の円安・ドル高。
 日銀が公表した16、17日の金融政策決定会合の主な意見では、金融政策に関して「米関税政策や中東情勢に伴う景気の下方リスクを勘案し、現状維持が適当だ」などと、追加利上げは見送るべきとの意見が多数あったことが示された。ニューヨーク市場は海外市場の流れを引き継ぎ、円安・ドル高地合いとなった。
 ただその後ドルは米長期金利の上昇一服を眺めて上げ幅を縮小。米商務省が午前に発表した5月の新築一戸建て住宅販売件数は前月比13.7%減の62万3000戸に落ち込んだことなどを受けて、対円や対ユーロでドル売りが増えた。
 また、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日、上院銀行委員会で証言し、トランプ政権の高関税政策による物価高は、基本シナリオでは「一時的」にとどまる可能性があるとの見方を示した。さらに、「ある時点で利下げを再開する」と語った。パウエル総裁は早期利下げに慎重な姿勢を維持しているが、市場では前回のFRB会合後の記者会見よりも、やや前向きに利下げを検討していると指摘する声も上がっている。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1655~1665ドル(前日午後5時は1.1604~1614ドル)、対円では同169円27~37銭(同168円12~22銭)と、1円15銭の円安・ユーロ高。
 日系証券筋は「米国の財政の先行き不安に加え、各国との通商交渉が不調であることは、ユーロなどに対してドルの上値が重い要因となっている」と指摘した。

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