〔東京外為〕ドル、145円台前半=終盤、調整買いで強含む(19日午後5時) 2025年06月19日 17時07分

 19日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、終盤、調整的な買いが優勢となり、1ドル=145円台前半で強含んでいる。朝方からの値動きは総じて方向感を欠いたが、遅い時間帯にやや水準を切り上げた。午後5時現在、145円39~40銭と前日(午後5時、144円93~95銭)比46銭のドル高・円安。
 前日の米国時間序盤は、FOMC結果公表を控える中、144円60~90銭台でもみ合い。中盤は、イランが外交交渉を求めて接触してきたことをトランプ大統領が明らかにすると、有事のドル買いの巻き戻しが起こり、144円50銭付近に軟化した。終盤は、FRBの政策金利見通しで年内の利下げ想定回数2回が維持されたため、1回に減るとみていた一部の市場参加者が売りを強め、144円30銭台に下落。その後は、パウエルFRB議長の会見が利下げに慎重と受け止められ、145円20銭台に切り返した。
 東京市場の午前は、米当局者がイランへの攻撃を示唆したと伝わり、リスク回避の円買いが強まって、144円70銭台に下落。その後はドルが買い戻され、145円20銭付近まで持ち直した。米国がイランとイスラエルの紛争に介入し、中東情勢が一段と悪化するとの思惑から、正午にかけては有事のドル買いが強まった。午後に入ると買いが一巡し、145円00~20銭前後のレンジ圏でもみ合った。終盤は、欧州勢参入の時間帯に「買いのフローが入った」(大手邦銀)ことからじり高となった。
 引き続き「中東情勢の緊迫化で有事のドル買いが入りやすい」(為替ブローカー)とされる。ただ「日米金融政策決定の通過に伴って材料出尽くし感もあり、当面は方向感が出にくい」(先の大手邦銀)との声も聞かれる。ユーロも終盤、対円、対ドルで強含み。午後5時現在は、1ユーロ=166円64~66銭(前日午後5時、166円86~89銭)、対ドルでは1.1461~1462ドル(同1.1512~1512ドル)。

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