トランプ氏、対イラン参戦視野=「忍耐切れた」、外交の余地も―イスラエル、重水炉も空爆 2025年06月19日 20時13分

【ワシントン、イスタンブール時事】トランプ米大統領は18日、核開発を続けるイランへの対応について「忍耐は切れた」と述べ、イスラエルによるイラン攻撃に協力して参戦する可能性を示唆した。イスラエルとイランの交戦は20日で1週間。米国は対イラン軍事介入の検討を本格化させており、情勢は緊迫の度合いを増している。
トランプ氏は一方で、攻撃を「やるかもしれないし、やらないかもしれない」と語り、交渉による事態解決の可能性にも言及した。ただ、「最終的な決断は実行の直前にする」と強調。イランの体制崩壊も「あり得る」と警告した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、トランプ氏がイラン攻撃計画を非公式に承認したものの、最終決定を保留したと報じた。イランへの圧力で核開発放棄を迫る狙いとみられる。
イランの最高指導者ハメネイ師は「降伏しない」と徹底抗戦を表明。米国がイラン中部フォルドゥの核施設などへの攻撃で参戦すれば、イランは中東各地の米軍基地に報復攻撃を行う恐れがある。
トランプ氏はイランが外交交渉を求めて接触してきたと明かし、協議に前向きな姿勢を示した。その上で「1週間以内に大きな動きがあるかもしれない」と予告した。ただ、イランの国連代表部は米国との接触を否定した。
イスラエル軍は19日、重水炉があるイラン中部アラクを空爆したと発表。プルトニウム製造の基幹部分が標的で「核兵器開発に使わせないためだ」と主張した。国際原子力機関(IAEA)によると重水炉は稼働しておらず、核物質はなかったという。
一方、イランも19日、イスラエルへ断続的にミサイルを発射。地元メディアによれば、イスラエル南部ベエルシェバでは病院が直撃を受けた。イスラエルのカッツ国防相は「戦争犯罪で、ハメネイが責任を負う」と非難し、イランへの攻撃強化を指示した。