〔東京外為〕ドル、144円台前半=終盤、売り買い交錯(16日午後5時) 2025年06月16日 17時07分
16日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、終盤は売り買いが交錯する中、1ドル=144円台前半でもみ合っている。朝方は中東情勢緊迫化を受けた有事のドル買いで上値を切り上げたが、買い一巡後は戻り売りで伸び悩んだ。午後5時現在、144円17~19銭と前週末(午後5時、143円79~80銭)比38銭のドル高・円安。
前週末の欧州時間は中東情勢悪化を警戒した有事のドル買いなどで、144円10銭台に上昇した。米国時間の序盤は原油高などを受けた長期金利上昇で144円40銭台に上伸。中盤以降、主要株価指数の大幅安に圧迫され、143円80銭台へ軟化した。
週明け16日東京早朝は、取引が薄い中、有事のドル買いで一時144円70銭台まで上値を伸ばした。その後は戻り売りに押され、仲値すぎに144円10銭台に反落。正午にかけては日経平均株価の堅調などに支援され、144円40銭台に持ち直した。午後は改めて戻り売りが出たため、144円前後へと水準を切り下げた。終盤は、144円台前半を軸に上下動した。
ドル円は144円前後から144円台後半で上下したが、「朝方からはおおむね上に行ってこいとなり、方向感には乏しい」(為替ブローカー)と指摘されている。終盤、欧州勢の参入に伴ってユーロ買いが強まったが、「対円、対ドルでパラレルにユーロは買われ、ドル円への影響は軽微だった」(大手邦銀)との声が聞かれる。
ユーロは終盤、対円、対ドルで上昇。デギンドスECB副総裁が一部メディアに対し、「ECBは量的緩和について教訓を得た。今後は金融緩和の副作用にこれまで以上に配慮する」と述べたことが支援要因。午後5時現在、1ユーロ=166円93~96銭(前週末午後5時、165円86~88銭)、対ドルでは1.1578~1579ドル(同1.1534~1535ドル)。