ウラン濃縮機器破損の可能性=IAEA、イラン核施設攻撃で 2025年06月16日 20時33分

16日、ウィーンで開かれた国際原子力機関(IAEA)理事会の会合に出席するグロッシ事務局長(AFP時事)
16日、ウィーンで開かれた国際原子力機関(IAEA)理事会の会合に出席するグロッシ事務局長(AFP時事)

 【ベルリン時事】イスラエルによるイラン核施設攻撃を討議する国際原子力機関(IAEA)理事会の臨時会合が16日、ウィーンの本部で開かれた。グロッシ事務局長は、空爆を受けた核関連施設の一部で放射能汚染が発生していると指摘し、「核の安全が脅かされている」と懸念を表明。地下に設置されたウラン濃縮用の遠心分離機が破損した可能性があるとの見方も示した。
 グロッシ氏によると、中部ナタンズの高濃縮ウラン生産施設では、地上部分が13日の空爆で破壊され、施設内が「適切な防護措置で対処が可能」とされるアルファ粒子に汚染されたと考えられると説明。電力系統の損傷を受け、遠心分離機がある地下にも被害が及んだもようだと述べた。
 中部フォルドゥとイスファハンの核施設も攻撃を受けたが、いずれも「施設外の放射能の水準に変化はない」と語った。グロッシ氏はまた、イランとイスラエル双方に自制を要求し、監視業務のためIAEAの要員は引き続きイランにとどまると強調した。 

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