〔東京外為〕ドル、144円台半ば=有事のドル買いで上昇(16日午前9時) 2025年06月16日 09時06分

 16日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、中東情勢の緊迫化を受けた有事のドル買いなどが優勢となり、1ドル=144円台半ばへ上昇した。午前9時は、144円56~57銭と前週末(午後5時、143円79~80銭)比77銭のドル高・円安。
 前週末の海外市場では、欧州時間は、イスラエルのイラン攻撃による中東情勢の緊迫化で有事のドル買いなどが先行し、144円10銭台に上伸した。米国時間の序盤、原油高による長期金利上昇を眺めて、144円40銭台に水準を切り上げた。中盤以降は主要株価指数の大幅下落を受け、143円80銭台に軟化した。6月のミシガン大消費者景況感指数は60.5と市場予想(ロイター通信調べ)の53.5を大きく上回ったが、期待インフレ率が1年先、5年先ともに低下したため、ドル円の反応は乏しかった。
 16日東京早朝は買い戻しが先行。前週末の高値を上抜け、144円70銭台まで上昇した。
 前週末はイスラエルがイランの核関連施設を空爆したことを受けて、イランは報復攻撃を開始。これを受けて、流動性の高いドルを確保する動きが強まった。中東情勢の悪化を受けて原油価格が急騰し、インフレ懸念が強まったこともドル買いを加速させた。週明けの東京市場も「有事のドル買いが続く」(FX会社)との見方が出ている。
 ユーロは対円で上昇、対ドルは横ばい。午前9時は、1ユーロ=166円79~80銭(前週末午後5時、165円86~88銭)、対ドルでは1.1537~1538ドル(同1.1534~1535ドル)。

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