〔東京外為〕ドル、143円台半ば=米英3連休前の売りで伸び悩み(23日正午) 2025年05月23日 12時07分

 23日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米英の3連休を控えた利益確定や調整の売りが強まり、1ドル=143円台半ばに伸び悩んだ。正午現在、143円54~55銭と前日(午後5時、143円05~05銭)比49銭のドル高・円安。
 前日の欧州時間は、序盤に143円台前半から142円80銭前後へ下落。売り一巡後は反転し、143円80銭近くまで水準を切り上げた。米下院が大型減税を盛り込んだ法案を可決すると、財政悪化懸念から143円20銭台に下押し。その後は強い米経済指標などを受け、一時144円30銭台まで上昇した。
 東京時間に入り、早朝は144円台から143円台後半へとじりじりと値を下げた。日経平均株価が高寄りすると、144円前後まで値を戻したが、仲値公示に向けては再び143円台後半に押し戻された。本日は実質的な五・十日だが、「国内輸入企業のドル買い・円売りがやや多かったものの、輸出企業のドル売りも出て、売買が交錯した」(外為仲介業者)との声が聞かれた。
 前日は米国の5月の製造業・サービス業PMIや週間新規失業保険申請件数が市場予想より良好な結果となり、「米景気減速懸念が和らいだ」(邦銀)ことから、ドル買い・円売りが優勢となった。もっとも、トランプ米大統領肝煎りの大型減税を盛り込んだ法案が下院で可決され、財政悪化の可能性が意識されたことから、ドルの上値は重い。
 週明けは米英が祝日になるほか、今週末から来週にかけては日米の閣僚級関税交渉が控えており、「いったん利益を確定する動きも多い」(FX業者)という。
 ユーロは朝方に比べ対円、対ドルで強含み。正午現在、1ユーロ=162円41~44銭(前日午後5時、161円93~96銭)、対ドルでは1.1314~1315ドル(同1.1320~1321ドル)。

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