〔NY金〕4日ぶり反落、3295.00ドル(22日) 2025年05月23日 03時50分

 【ニューヨーク時事】22日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ドル上昇に伴う割高感を背景に利食い売りが台頭し、4営業日ぶりに反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比18.50ドル(0.56%)安の1オンス=3295.00ドル。
 米議会下院はこの日、トランプ大統領の看板政策である大型減税を盛り込んだ法案を可決した。今後、審議は上院に移り、政権と共和党指導部は7月初めまでの成立を目指す。ただ、税収減による政府債務の膨張は不可避との見方から、米長期金利は高止まり。外国為替市場ではドル買いが進行し、割高感の生じた金は利益確定の売りに圧迫された。
 朝方発表された米経済指標もおおむねしっかり。17日までの週の新規失業保険申請は前週比2000件減の22万7000件と、労働市場の底堅さを示したほか、S&Pグローバルがまとめた5月の製造業・サービス業購買担当者景況指数(PMI)はともに52.3となり、市場予想を上回った。
 しかし、米財務悪化への懸念は根強く、3300ドル割れの水準では買い支えが入った。格付け大手ムーディーズ・インベスターズは16日、米国債の格下げを発表。また、米財務省が前日実施した160億ドルの20年債入札では需要の弱さが確認され、安全資産とされる金を積極的に売る向きは少なかった。

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