トランプ氏「証拠」、間違いだらけ?=南アの「白人迫害」巡り 2025年05月23日 17時48分

南アフリカのラマポーザ大統領(左)との会談で、写真付きの記事を掲げるトランプ米大統領=21日、ワシントン(ロイター時事)
南アフリカのラマポーザ大統領(左)との会談で、写真付きの記事を掲げるトランプ米大統領=21日、ワシントン(ロイター時事)

 【ロンドン時事】トランプ米大統領が南アフリカのラマポーザ大統領と会談した際、南アでの「白人迫害」の証拠として示した資料について、誤って使用された可能性があることが23日までに分かった。英BBC放送などが真偽を分析した上で報じた。
 両大統領は21日にホワイトハウスで会談。トランプ氏は、南ア農村部にある道路の両側に白い十字架が並ぶビデオ映像を示し、「ここに千人以上の白人農場主が埋葬されている」と主張。しかしBBCによると、この場所は埋葬地でなく、十字架も2020年に起きた白人農場主殺害に抗議する祈念碑で、既に取り壊された。
 さらに、ロイター通信は、トランプ氏が会談中に掲げた米保守系メディアの記事に付けられた写真に関し、実際はコンゴ(旧ザイール)で撮影されたものだったと報じた。ロイターは、写真は自社が2月3日に配信した映像から切り取ったものと確認。コンゴ東部ゴマで遺体を運ぶ人道支援団体を映したものだったという。
 両首脳の応酬の様子は、2月にホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ氏と会談し口論となった際と比較して広く伝えられた。ただ今回、ラマポーザ氏が動揺をあらわにする場面は見られず、「落ち着いて誤情報に挑んだ」(ロイター)などと評価されている。 

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