〔東京外為〕ドル、143円台後半=良好な米経済指標受け上昇(23日午前9時) 2025年05月23日 09時02分
23日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日に発表された米経済指標が総じて良好だったことなどを受け、1ドル=143円台後半に上昇している。午前9時現在、1ドル=143円83~83銭と前日(午後5時、143円05~05銭)比78銭のドル高・円安。
前日の欧州時間は、序盤に143円台前半から142円80銭前後へ下落。売り一巡後は反転し、143円80銭近くまで水準を切り上げた。米下院が大型減税を盛り込んだ法案を可決すると143円20銭台に下押し。その後は強い米経済指標などを受け、144円30銭台までじり高基調をたどった。東京早朝は利益確定などでやや売られている。
朝方には4月の全国CPIが発表されたが、ほぼ市場予想通りだったこともあり、市場の反応は限られた。
トランプ米大統領肝煎りの大型減税は財政悪化を招くと懸念され、下院で法案が可決された後のドルは売られた。一方、5月の米製造業・サービス業PMIは市場予想を上回り、前月から改善。週間新規失業保険申請件数も市場予想より少なかった。4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回ったが、米経済指標は「全体的には強めと受け止められ、景気後退減速が和らいだ」(外為仲介業者)とされ、ドル円を支援した。
米長期金利が低下し、「(米株式、債券、通貨の)『トリプル安』の懸念が後退した」(邦銀)こともあり、為替市場ではドル買い・円売りが優勢になった。もっとも、今週末から来週にかけては日米の閣僚級関税交渉が控えており、様子見ムードも強い。
ユーロは対円で上昇、対ドルでは下落。午前9時現在、1ユーロ=162円28~30銭(前日午後5時、161円93~96銭)、対ドルでは1.1283~1283ドル(同1.1320~1321ドル)。