〔NY外為〕円、144円台後半(2日) 2025年05月03日 06時17分

 【ニューヨーク時事】週末2日のニューヨーク外国為替市場では、海外市場で進んだ円高・ドル安地合いを引き継ぎ、円相場は1ドル=144円台後半に上伸した。午後5時現在は144円89~99銭と、前日同時刻(145円37~47銭)比48銭の円高・ドル安。ただ米雇用統計で労働市場の底堅さが示されると、それまでの円買い・ドル売りを巻き戻す動きもあり、上昇幅は限られた。
 この日発表された4月の米雇用統計によると、非農業部門の就業者数は前月比17万7000人増加。伸びは前月実績を下回ったものの、市場予想(13万人増=ロイター通信調べ)ほど鈍化せず、米関税発動を背景とした雇用情勢の悪化懸念を和らげる内容だった。
 発表後に相場は一時143円台と、円高・ドル安方向に振れたが、あと流れは反転。景気を支えるため、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月にも利下げに動くとの見方が弱まり、ドル買いが促された。また、今週は日銀の早期利上げ観測が後退したほか、2回目の日米関税交渉で為替問題が議論されなかったこともあり、円はじりじりと押し下げられた。
 取引終盤は145円近辺でもみ合い。中国などとの貿易交渉の行方や、来週開催の連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感から、模様眺めのムードが広がった。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1295~1305ドル(前日午後5時は1.1286~1296ドル)、対円では同163円85~95銭(同164円16~26銭)と、31銭の円高・ユーロ安。

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