〔東京外為〕ドル、一時145円台後半=日銀利上げ観測後退で急伸(2日午後5時) 2025年05月02日 17時04分
2日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日の日銀金融政策決定会合の結果を受けた早期利上げ観測の後退による買いが継続し、一時1ドル=145円台後半に大幅上昇した。4月10日以来、約3週間ぶりの高値水準。午後5時現在は145円12~13銭と前日(午後5時、144円35~36銭)比77銭のドル高・円安。
前日の海外市場では、欧州時間は144円台前半を中心としたレンジで推移。米国時間に発表された4月のISM米製造業購買担当者景況指数(PMI)が市場予想を上回ると、145円70銭台に上昇した。その後は伸び悩み、145円20~30銭台で推移した。
午前9時前、2回目の日米関税交渉終了後に記者会見した赤沢亮正経済再生担当相が「為替については議論しなかった」と述べると、「米国側から円安是正が求められるとの懸念が一層後退した」(FX業者)ことから買いが強まった。午前9時すぎには日経平均株価が大幅高となるのを眺め、145円90銭前後の高値を付けた。中国商務省が米国との通商協議の可能性を評価しているとの報道官談話を発表したと報じられ、「米中貿易摩擦の緩和期待も広がった」(外為仲介業者)こともリスクオン要因になったという。
仲値公示に向けては、連休を控えた国内輸入企業のドル買い・円売りが優勢だったとの声が聞かれた。一巡後は利益確定や調整の売りが出て、145円台前半に押し戻された。午後は、日本時間今夜に発表される4月の米雇用統計の結果を見極めたいとのムードが強まり、一時は145円近辺まで水準を切り下げた。
ユーロは対円、対ドルで上昇。午後5時現在、1ユーロ=164円41~43銭(前日午後5時、163円29~31銭)、対ドルでは1.1327~1328ドル(同1.1310~1311ドル)。