〔東京外為〕ドル、143円台後半=米中貿易摩擦懸念後退で上昇(25日午後3時) 2025年04月25日 15時05分

 25日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米中貿易摩擦への懸念後退を受けて1ドル=143円台後半に上昇している。昼すぎに「中国が米製品の一部に関税の適用除外を検討する」と一部で報じられ、米中貿易摩擦への懸念が後退して一気にドル買いが強まった。午後3時現在、143円62~63銭と前日(午後5時、142円58~58銭)比1円04銭の大幅ドル高・円安。
 24日の欧州時間は、中国が米国との貿易戦争も辞さない姿勢を示したことで売りが強まり、142円20銭台へ下落した。米国時間の序盤も同水準で推移。中盤はトランプ米大統領が中国と会談している、と伝えられ、米主要株価指数が上昇。これを受けてリスク選好となり、142円80銭台へ上伸した。終盤は日米財務相会談を控える中、142円40銭~70銭台で推移した。
 25日東京時間は、日米財務相会談で米側が円安是正を要求しなかったほか、五・十日要因の買いが入り、午前10時前には143円10銭近辺へ上昇。その後は買い一服となり、正午前後は142円80銭台に伸び悩んだ。昼すぎに「中国が米製品の一部に関税の適用除外を検討する」と一部で報じられると143円台後半まで水準を切り上げ、午後3時に向けても高値圏を維持した。ドル円は米中貿易摩擦の懸念後退で急速に買われたが、「実際に米中が摩擦解消に動くかはなお予断を許さない面もある」(外為仲介業者)とされ、さらなる上値追いには慎重なムードもある。米中間の動きについては「なお様子を見る必要があり、目先は続報待ちとなるだろう」(大手邦銀)との声が聞かれる。
 ユーロも午後は対円で上昇。対ドルは小安い。午後3時現在、1ユーロ=162円76~77銭(前日午後5時、162円24~27銭)、対ドルでは1.1331~1332ドル(同1.1379~1380ドル)。

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