〔東京外為〕ドル、142円台後半=米中貿易摩擦警戒で上値重い(25日正午) 2025年04月25日 12時11分

 25日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米中貿易摩擦への警戒感などから、1ドル=142円台後半で上値の重い展開だった。正午現在、142円96~97銭と前日(午後5時、142円58~58銭)比38銭のドル高・円安。
 24日の欧州時間は、中国が米国との貿易戦争も辞さない姿勢を示したことで売りが強まり、142円20銭台へ下落した。米国時間の序盤も同水準で推移。中盤はトランプ米大統領が中国と会談していると語ったことが伝わったほか、米主要株価指数の上昇で投資家心理が上向き、142円80銭台へ上伸した。終盤は、日米財務相会談を控える中、142円40銭~70銭台で推移した。
 25日の東京時間は、日米財務相会談で米側から円安是正要求がなかったことが買いを誘った上、五・十日による国内輸入企業の買いが入ってじり高となり、午前10時前には143円10銭近辺へ上昇した。その後は、戻り待ちの売りに加え、日経平均株価の上げ幅縮小などを受けた売りに押され、142円80銭前後に軟化した。
 ドル円は143円台に乗せた後は伸び悩んだ。米中貿易摩擦などトランプ政権による関税政策の先行き不透明感が根強く、上値追いには慎重な向きが多いようだ。市場では「ドルの信認回復には至っていない」(外為仲介業者)との声が聞かれた。
 午後の動きについては「トランプ関税への警戒は残るものの、材料出尽くしのため、142円台後半を中心としたもみ合いが継続する」(国内銀行)と予想されている。
 ユーロは午前9時以降、対円、対ドルともに下落。正午現在、1ユーロ=162円23~26銭(前日午後5時、162円24~27銭)、対ドルでは1.1347~1348ドル(同1.1379~1380ドル)。

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