〔NY石油〕WTI下落、70.40ドル=2カ月ぶり安値(21日) 2025年02月22日 07時29分

 【ニューヨーク時事】週末21日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、供給混乱への警戒感が一部でくすぶる中を対ユーロでのドル高などを背景に、下落した。この日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比2.08ドル(2.87%)安の1バレル=70.40ドルと、中心限月の清算値ベースで昨年12月下旬以来約2カ月ぶりの安値水準。5月物は2.07ドル安の70.22ドル。
 S&Pグローバルが午前発表した2月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値が51.6と前月から上昇。市場予想を上回り、8カ月ぶりの高水準となった。外国為替市場ではドルが対ユーロで上昇し、ドル建てで取引される商品の割高感から売られた。
 ロシア政府は週初、ウクライナによるドローン攻撃を受け、パイプライン運営会社カスピアン・パイプライン・コンソーシアム(CPC)が運営する送油管経由のカザフスタン原油供給が減少したと明かした。これをきっかけに供給不安がくすぶる一方、ロシアのインタファクス通信は21日、米石油大手シェブロン最大の合弁会社であるカザフスタンのテンギズシェブロイルの話として、CPC経由のカザフスタンのテンギス油田からの送油は遮断されていないと報じた。
 ロイター通信によると、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが午後に発表した統計では、国内石油掘削リグ稼働数が488基と前週から7基増加。発表後、相場は若干下げ幅を拡大した。
 ▽ガソリン=下落。中心限月3月物の清算値は5.98セント安の1ガロン=202.67セント。
 ▽ヒーティングオイル=3日ぶりに反落。3月物の清算値は7.11セント安の1ガロン=243.23セント。

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