〔NY金〕反発、2956.10ドル=史上最高値更新(20日) 2025年02月21日 04時41分

 【ニューヨーク時事】20日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、トランプ米大統領の通商政策を巡る不透明感がくすぶる中、反発した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比20.00ドル(0.68%)高の1オンス=2956.10ドルと、中心限月の清算値ベースで2日ぶりに史上最高値を更新した。
 トランプ米大統領は19日、半導体や自動車、医薬品など幅広い輸入品を対象とした関税を、「来月中か、それより早く発表するだろう」と述べた。木材も新たな対象として課す方針だという。トランプ氏は就任以来、矢継ぎ早に関税措置を打ち出しており、市場では関税発動によるインフレ再燃への警戒感が根強い。安全資産としての金の需要は底堅く、相場は買いが優勢となった。
 またウクライナ情勢を巡る地政学リスクの高まりも相場の支援要因。ウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ米政権のケロッグ特使(ウクライナ・ロシア担当)は20日、キーウ(キエフ)で会談。トランプ氏がゼレンスキー氏を批判したことでロシアとウクライナの間の停戦機運が後退したとの見方もあり、リスク回避のため金が物色された。

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