上値追いには材料不足 2024年07月04日 14時38分

岡三証券シニアストラテジスト山本信一氏
 株式市場は米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待を背景に上昇の勢いを保ってきたが、日本株に積極的に上値を追う材料は乏しい。日経平均株価は当面、3万9000~4万1000円のレンジ内でもみ合うとみている。
 最近は日銀の金融政策正常化の流れを受けて、金融株が相場をけん引してきた。銀行や生命保険は利ざや改善や収益基盤拡大が期待され、依然として株価上昇の余地がある。
 ただ、国内企業全体の業績見通しは慎重で、個人消費など実体経済も力強さを欠く。海外投資家が裏付けなしに一段の日本株買いを進めるのは難しく、市場は7月下旬から8月にかけ、企業決算や経済指標の内容を見極めることになるだろう。
 為替の不安定さもリスクだ。円高方向であれ、円安方向であれ、急激な変動は不透明感の強まりを意味し、株式市場にとってプラスにはならない。

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