製造業景況感、2期ぶり小幅改善=非製造業は悪化、コスト増響く―6月日銀短観 2024年07月01日 09時01分

 日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス13となり、3月の前回調査のプラス11から2ポイント改善した。幅広い業種で価格転嫁の進展が見られ、2四半期ぶりに改善した。ただ、長引く原材料高に加え、トヨタ自動車などで6月に新たに発覚した認証不正に伴う車の生産・出荷停止が重しとなり、改善幅は小幅にとどまった。
 一方、大企業非製造業はプラス33と16四半期ぶりに悪化した。円安などを背景とした原材料やエネルギーの価格上昇、人件費高騰が響いた。DIは、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出する。
 大企業製造業のうち、自動車はプラス12(前回プラス13)と小幅悪化した。ダイハツ工業などの認証不正に伴う生産・出荷への影響は解消されつつあるが、他メーカーでも不正が見つかり、回復が遅れている。このほか、鉄鋼や食料品は原材料などのコスト増、生産用機械は中国の景気減速が響き、それぞれDIが悪化した。
 大企業非製造業では、旺盛なインバウンド(訪日客)消費に支えられてきた宿泊・飲食や対個人サービスのほか、建設業でも景況感が悪化。いずれも原材料や人件費の高騰が下押し要因となった。小売りは値上げが買い控えを招き、プラス19(同プラス31)と大幅に悪化した。 

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