〔週間外為見通し〕ドル円、レンジ推移=7月のFOMCは金利据え置きの公算 2025年06月27日 18時14分
来週の東京外国為替市場のドル円相場は、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の維持が予想される中、レンジ内の取引が続くとみられる。
今週は、米国によるイラン核施設空爆で「有事のドル買い」が先行し、一時148円台まで急伸した。その後は、イランとイスラエルの停戦合意や、米連邦準備制度理事会(FRB)に早期利下げを要求するトランプ米大統領が次期FRB議長を今夏中にも発表すると報じられ、売りが優勢となり、一時143円70銭台まで下落した。
中東情勢への過度な悲観論がやや後退し、市場の関心はFRBの金融政策に向かいつつある。来週は6月の米ISM製造業PMIやJOLTS、雇用統計などが発表される。パウエルFRB議長は早期の利下げに慎重な姿勢を崩しておらず、市場では「7月の利下げ観測を強める材料にはならない」(FX会社)との見方が多い。ドル円は、米指標の結果をにらみながら、大きな変動がなければ、レンジ内で推移する公算が大きいだろう。
▽市川雅浩・三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト=来週のドル円相場は、7月のFOMCでの政策金利の据え置き予想を変える材料はなく、レンジ相場となるだろう。
来週は、7月3日に6月の米雇用統計が発表される。今週発表された経済指標は、市場予想を下回る弱めの内容が目立った。雇用統計の非農業部門就業者数の増加ペースも、前月から減速すると見込まれる。ただ、急激な減速でない限り、FRBの早期利下げ観測を強めることはなく、ドル円相場への影響は限定的だろう。
国内では、1日に6月の日銀短観が発表される。金融政策を占う手掛かりにはなりにくいが、最新の景況感を確認する上で注目したい。
ドル円の予想レンジは、142~147円。