〔NY石油〕WTI続伸、60ドル台(9日午前) 2025年05月09日 22時58分

 【ニューヨーク時事】週末9日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中通商協議を今週末に控え期待感が広がる中を、続伸している。米国産標準油種WTIの中心限月6月物は午前9時35分現在、前日清算値(終値に相当)比0.57ドル高の1バレル=60.48ドル。
 トランプ米政権の関税措置を巡る米中高官による協議が10、11両日、スイスで開かれる。トランプ大統領は9日、SNSへの投稿で「対中関税は80%が正しそうだ」と発言。「中国は市場を米国に開放するべきだ。中国にとっても良いことだ。閉じた市場はもう機能しない」とも述べた。対中関税引き下げは、米国側から協議に参加するベセント財務長官次第とし、米中協議の結果を踏まえて検討する構えを示した。米中貿易摩擦が緩和するとの期待を背景に、エネルギー需要先行きへの楽観的な見方から、相場は買いが先行している。
 一方、中国関税総署が9日発表した4月の貿易統計によると、全体の輸出は8.1%増と前月から伸びは鈍化したものの、市場予想は上回った。輸入は0.2%減となり、前月から減少幅が縮小し、市場予想よりも良い内容だった。底堅い内容と受け止める向きもあり、相場を下支えている。

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