〔東京外為〕ドル、145円台前半=急伸後の戻り売りで伸び悩む(9日午後5時) 2025年05月09日 17時07分

 9日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米英の貿易協定合意を受けて急伸した後の戻り売りが優勢となり、1ドル=145円台前半に伸び悩んでいる。午前中は146円台に乗せる場面もあったが、午後は調整売りが優勢となった。午後5時現在、145円16~18銭と前日(午後5時、144円30~32銭)比86銭のドル高・円安。
 8日の米国時間はトランプ大統領が英国と貿易協定で合意したと表明したほか、対中関税の引き下げの可能性を示唆したことから買いが優勢となり、終盤には146円10銭台に上伸した。その後、「トランプ氏が富裕層を対象に増税を要求」と一部メディアが報じると、主要株価指数が値を消したため、ドル円は145円70銭台に失速した。
 9日の東京早朝は買い戻しが先行し、146円05銭付近に反発。午前9時以降、日経平均株価の大幅高を背景にリスク選好の買いが入り、146円18銭と4月10日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。ただ、久々の高値水準だったため、仲値前後は実需筋の売りもみられ、145円60銭台に下落。正午に向けては145円台後半のレンジ圏で推移した。午後は週末を控えて調整的な売りが優勢となり、徐々に水準を下げた。
 米英の貿易協定合意でドル円は大幅高となったが、「上昇ピッチが速かった反動から東京時間は戻り売りに押された」(為替ブローカ―)という。米中貿易交渉も控えて「いったんは買い持ちを減らす動きもあった」(大手邦銀)とみられる。米中交渉の行方は「うまくいくかは予断を許さず、結果を見守るしかない」(同)との声が聞かれる。
 ユーロは終盤、対円はもみ合い。対ドルは持ち直す。午後5時現在、1ユーロ=163円32~35銭(前日午後5時、163円03~05銭)、対ドルでは1.1252~1252ドル(同1.1297~1297ドル)。

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