米の楽観論戒める=「ロシア譲歩と思わず」―ウクライナ大統領 2025年08月26日 06時03分

ウクライナのゼレンスキー大統領は25日、トランプ米政権が仲介する和平交渉でロシアが「譲歩」しているとは思わないと語った。現地メディアが伝えた。バンス米副大統領は先にNBCテレビの番組で、ロシアがウクライナの今後の「安全の保証」について「大幅な譲歩をした」との見解を示していたが、米側の楽観論を戒めた形だ。
ゼレンスキー氏は「(和平合意後に)さらなる占領をしないとするロシア側の発言は譲歩とは思わない」と強調。ロシアのプーチン大統領が東部ドンバス地方全域からのウクライナ軍撤退を迫っている時点で、譲歩の意思はないとの認識を表明した。
バンス氏は、米欧によるウクライナへの安全の保証をプーチン政権が容認したと主張。ただ、ロシアはウクライナへの外国部隊の展開を「断じて認められない」(ラブロフ外相)とくぎを刺している。
一方で、ゼレンスキー氏は、ロシアとの首脳レベルを含む2国間交渉に向け、今週末にウクライナと米国の事前協議が行われると明らかにした。今月18日にトランプ大統領がゼレンスキー氏や欧州首脳らとホワイトハウスで会談した際、ロシア・ウクライナ首脳会談が「2週間以内」に開かれると説明されたが、月内の実現は絶望的となった。